Letter 物理:シリコン上のゲルマニウム量子井戸構造における強い量子閉じ込めシュタルク効果 2005年10月27日 Nature 437, 7063 doi: 10.1038/nature04204 シリコンはエレクトロニクスで群を抜いて使用量の多い半導体であるが、現在、通信やコンピューター相互接続用に、シリコン素子をオプトエレクトロニクス材料と集積する必要性が高まっている。最近、シリコンベースの光変調器がうまく作動することが実証された。しかし、シリコンの光変調機構は比較的弱く、そのため長い(例えば、数ミリメートル)デバイス、あるいは高いQ値を持った精巧な共振器が必要になる。GaAs、InPおよびそれらの合金などIII‐V半導体からできた薄い量子井戸構造、はずっと強い量子閉じ込めシュタルク効果(QCSE)メカニズムを示し、そのため、光路長がわずか数ミクロンメートルの変調器構造が可能である。このようなIII‐V材料は、残念ながら、シリコン電子デバイスと集積するのがむずかしい。エレクトロニクス分野では、ゲルマニウムがシリコンと集積されることが多いが、これまでのシリコン‐ゲルマニウム構造も強い変調効果を示していなかった。本論文では、シリコン上に成長させたゲルマニウム量子井戸構造で、室温においてQCSEを発見した結果を報告する。このQCSEはIII‐V材料の場合に匹敵する強度を持つ。この効果は非常に明瞭で強く、ゲルマニウムが間接ギャップ半導体であることを考えると極めて意外な結果である。実際、こういった半導体は直接ギャップ半導体(オプトエレクトロニクスに良く使われるIII‐V材料など)に比べて非常に弱い光学効果しか見せない場合が多い。今回の発見は、シリコンエレクトロニクス製造技術と完全に互換な小型、高速、低電力光出力のデバイスにとって非常に有望な結果である。 Full Text PDF 目次へ戻る