Letter 地球:巨大衝突後の地球の冷却と核形成 2005年10月27日 Nature 437, 7063 doi: 10.1038/nature04129 ケルヴィンは、地球が完全に融けた状態から現在の状態まで熱伝導によって冷却したと仮定して、地球の年齢を約2400万年と計算した。過度に単純化されてはいるが、月を形成し、地球質量の最後の約10%を生じたと推測されている巨大衝突後に起きた急激な冷却現象を考える上で、この計算結果は興味深い。U-Pb系から求められた地球の集積および核の分離速度は、Hf-W系から求められた値よりもずっと遅く、太陽系の誕生後45±5百万年頃に起きて月を形成した巨大衝突後にも、かなりの量の集積が起きていたことを示唆している。本論文では、2つの時間スケールに対する説明を提案する。Hf-W系の時間スケールは、巨大衝突前の核形成の主要な段階を反映していると考えられる。この段階で下部マントルにケイ酸塩ペロブスカイトが結晶化してFe3+が生成され、これが巨大衝突の際に放出された。ここで起きた酸化反応により硫黄に富んだ金属が遅れて分離し、そこへPbがすぐに溶解してU-Pb系では地球の年齢が若くなる結果となった。後者の金属の分離は月を形成した衝突の30±1000万年後に起こった。この期間に(ケルヴィンの推定値と意外なほど一致するが)、地球は完全に融けた状態から部分的に結晶化した状態へ戻り、約4000 K冷却されたのである。 Full Text PDF 目次へ戻る