Letter

化学:金表面上の一方向分子モーター

Nature 437, 7063 doi: 10.1038/nature04127

さまざまな機械デバイスの機能を模倣する能力を持った分子がこれまでに作られ、特に、機械運動を引き起こせるモーターは注目を集めてきた。そのような分子モーターは、光または化学エネルギーを一定方向の回転または直線運動に変え、通常は溶液中で調製され作動する。しかし、有益な仕事のできるナノ機械としてそれらを用いるには、最近報告された直線状人工筋肉のように表面上で機能する系を構築することが必須と考えられる。表面取り付け型のローターは実現されており、それらの運動方向が限定されることも予測されている。今回我々は、一方向回転を繰り返す能力を持つ光駆動分子モーターを、金ナノ粒子の表面に取り付けられることを実証した。このモーターにはキラルならせん状アルケンが使われ、上半分がプロペラとして働き、固定子として働く下半分との間は、炭素−炭素二重結合(回転軸)で連結されている。固定子にはチオールを官能基とする2本の「足」があり、これらがモーター分子全体を金表面に結合させる。光によって中央の二重結合のシス-トランス異性化を2回起こし、1回ごとに逆回転を防ぐための熱的らせん反転を続けて起こすことで、表面に取り付けた系の下半分に対してプロペラが完全な一方向の360度回転を起こすことが、NMRスペクトルから明らかとなった。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度