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神経:成体海馬でのニューロン新生を調節するWntシグナル伝達系

Nature 437, 7063 doi: 10.1038/nature04108

神経幹細胞からのニューロンの新生は、哺乳類成体の中枢神経系では2つの領域、すなわち側脳室の脳室下帯と海馬歯状回の顆粒下帯に限られている。この両領域とも、細胞周囲の局所環境から来るシグナルが、局所の神経幹細胞集団の維持、増殖、神経への運命拘束を調節している。しかし、そうしたシグナルの実体はほとんどわかっていない。本論文では、成体の海馬幹細胞/前駆細胞(AHP)が、胚発生期の神経幹細胞のふるまいの重要な調節因子であるWntタンパク質に対する受容体やシグナル成分を発現していることを示す。また、海馬のニューロン新生部位ではWnt/βカテニン経路が活性化していることと、Wnt3が発現することを示す。Wnt3を過剰発現させるだけで、in vitroでもin vivoでもAHPからのニューロン新生が増加した。逆に、Wntシグナル伝達を阻害すると、AHPからのニューロン新生がin vitroでは減少し、in vivoではほぼ完全に消失した。これらのデータは、Wntシグナル伝達は成体海馬でのニューロン新生の主たる調節体であり、成体海馬機能にWntタンパク質が役割を持つことの証拠となる。

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