Letter 進化:ショウジョウバエに見られる非コードDNAの適応進化 2005年10月20日 Nature 437, 7062 doi: 10.1038/nature04107 真核生物ゲノムの多くの部分はタンパク質のアミノ酸配列に翻訳されないDNAで占められており、その機能上の意義についてはほとんどわかっていない。本論文では、ショウジョウバエにある数種類の非コードDNAが同義置換部位より相当ゆっくりと進化していること、しかし同義置換部位と比べると多型に対する種間分岐の比が大きいことを示す。前者は選択的制約の顕著な特徴だが、後者は適応進化の証であり、ショウジョウバエのタンパク質進化に見られる一般的パターンと似通っている。私の見積もりでは、遺伝子間領域にあるヌクレオチドや、成熟mRNAの翻訳されない部分(UTR)、大部分のイントロンDNAのおよそ40〜70%は、同義置換部位に比べて進化的制約を受けている。しかしMcDonald-Kreitman法の拡張版も用いたところ、これらの領域のヌクレオチド分岐のうちかなりの割合が、正の選択によって遺伝子の固定へと進んだことが明らかになった(大部分のイントロンDNAおよび遺伝子間DNAで約20%、 UTRで約60%)。これらの観察結果に基づくと、翻訳されないゲノム領域のかなりの部分は機能的に重要であり、浄化選択と適応進化の両方を受けやすいのではないかと思われる。これらの結果からみて、正の選択は明らかにタンパク質進化の重要な一面ではあるが、キイロショウジョウバエの進化においては、非コードDNAの適応的変化のほうが広く一般的に起こった可能性がある。 Full Text PDF 目次へ戻る