Letter エレクトロニクス:規則的なドーパント配列を使った半導体デバイスの性能向上 2005年10月20日 Nature 437, 7062 doi: 10.1038/nature04086 半導体デバイスの寸法は縮小し続けているため、半導体内部の各ドーパント原子の通常はランダムな分布がデバイス性能を決める重要な要素になってきており、性能の均一性はもはや仮定できない。本論文では、ドーパント原子の数と位置の両方を正確に制御した半導体デバイスの作製について報告する。我々は最近開発したシングルイオン注入法を使って、これを実現した。この方法はドーパントイオンを1個ずつ目的数に達するまで微細な半導体領域へ注入できる。作製されたトランジスタの電気測定結果から、閾値電圧(Vth;デバイスのターンオン電圧)は、ドーパントが規則的に配列したデバイス構造の方が、従来型のランダムドーピングの場合に比べてデバイス毎のばらつきが小さいことが明らかになった。また、規則的なドーパント配列のデバイスは、ドープしない半導体に比較してVthがシフトし、このシフトが、ランダムドーパント分布の場合の2倍(-0.2Vに対して-0.4V)になることもわかった。この結果は、ドーパント原子が規則的に分布するため、伝導チャネル領域の静電ポテンシャルが一様になるとして説明される。したがって、今回の結果は、ドーピングプロセスを原子スケールで制御すればデバイス性能が改善できることをはっきり示している。さらに、この種の規則的なドーパント配列によって、シリコンベースの固体量子コンピューターの実現可能性が高くなると考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る