Letter

細胞:細胞質分裂の失敗による四倍体の生成がp53ヌル細胞で腫瘍形成を促進する

Nature 437, 7061 doi: 10.1038/nature04217

腫瘍の発生については、細胞分裂の失敗で遺伝的に不安定な四倍体細胞が生じると、異数性の悪性腫瘍が発生しやすくなるという仮説がかなり以前から知られている。今回我々は、p53ヌル(p53-/-)マウス乳腺上皮細胞(MMEC)で細胞質分裂を一時的に阻害し、二倍体細胞と四倍体細胞を単離して培養できるようにして、この仮説を検証した。四倍体細胞では、全染色体の分離異常や染色体再編成の頻度が上昇した。発癌物質に曝露すると、四倍体細胞だけにin vitroで形質転換が見られた。また、発癌物質がない場合、ヌードマウスの皮下に移植したときに乳腺上皮癌が発生したのは、四倍体細胞だけだった。これらの腫瘍にはすべて多数の非相互転座があり、染色体のマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)遺伝子クラスターを含む領域が8〜30倍増幅されていた。MMPの過剰発現は、ヒトや動物モデルの乳腺腫瘍と関連づけられている。したがって、p53-/- MMECでは、四倍体性が染色体変化の頻度を高め、腫瘍の発生を促進すると結論できる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度