Letter 細胞:カルシウムはAPC/C阻害因子XErp1を分解標的にさせることで、減数第二分裂から次の段階への進行を誘導する 2005年10月13日 Nature 437, 7061 doi: 10.1038/nature04093 受精を待つ脊椎動物の卵は、細胞分裂停止因子(CSF)と呼ばれる生化学活性の働きで、減数第二分裂の中期で停止している。このCSF活性は、中期促進複合体/サイクロソーム(APC/C)を阻害する。APC/Cはユビキチンリガーゼで、セキュリンとM期サイクリンを分解の標的にすることによって中期の開始と有糸分裂/減数分裂遷移の引き金を引く。受精が起こると細胞内の遊離カルシウム濃度が一時的に上昇し、CSFによる停止が解除され、APC/Cが活性化する。カルシウムがAPC/CをCSFによる阻害から解放するのは、カルモジュリン依存性プロテインキナーゼII(CaMKII)の働きによることがこれまでにわかっていたが、その際に何がこのキナーゼの基質になるのかは突き止められていなかった。最近我々は、アフリカツメガエルの卵抽出物に含まれるAPC/Cの阻害物質でCSF活性の重要な成分であるXErp1(Emi2)の性質を明らかにした。本論文では、カルシウムで活性化されたCaMKIIが減数第2分裂から次の段階への進行の引き金となるのは、APC/C阻害因子であるXErp1に働きかけてポロ様キナーゼ1(Plx1)に依存した分解を受けやすくするためであることを明らかにする。CaMKIIがXErp1をリン酸化するとPlx1が引き寄せられ、次にこれがXErp1のリン酸化依存性分解シグナルとなることが知られている部位をリン酸化するため、XErp1の分解が起こる。今回の結果によって、受精が引き起こすカルシウムの上昇が減数第2分裂から次の段階への進行を誘導する仕組みを分子レベルで説明できる。 Full Text PDF 目次へ戻る