Letter 神経:In vivoでの繰り返しコカイン暴露は中脳ドーパミン性ニューロンでのLTP誘発を促進する 2005年10月13日 Nature 437, 7061 doi: 10.1038/nature04050 乱用薬物は、神経回路の永続的な変化を引き起こし、常習行為を生み出すことが知られている。腹側被蓋野(VTA)のドーパミン性ニューロンのシナプス可塑性の変化は、コカインを含む多くの乱用薬物によって引き起こされる回路変化に関与している可能性がある。そこで今回、ラットを使いin vivoで繰り返しコカイン暴露を行った後、VTAのドーパミン性ニューロン上の興奮性シナプスの性質を調べたところ、シナプス前細胞と後細胞の協調活動によって誘発される長期増強(LTP)が、極めて起こりやすくなっていることがわかった。このLTP誘発の促進は、これらドーパミン性ニューロンへのγ-アミノ酪酸(GABA)A型受容体を介した抑制が、コカインによって減弱することに起因している。 生理食塩水、または1回だけコカインで処理したラット中脳切片では、ビククリンまたはピクロトキシンによってGABAによる抑制を減弱させないかぎり、VTAのドーパミン性ニューロンにLTPは誘発できなかった。しかし、コカインで繰り返し処理したラットから作成した切片では、LTPが容易に誘発可能であった。このLTP誘発は、ジアゼパムを用いてGABAによる抑制を強化すると、阻害された。さらに、度重なるコカイン暴露は、GABAによるシナプス電流の振幅を減少させ、VTAのドーパミン性ニューロンのスパイク発火確率を増大した。こうしたコカインによるVTAでのシナプス可塑性の強化は、薬物関連記憶の成立に重要な役割を持つ可能性がある。 Full Text PDF 目次へ戻る