Letter

細胞:ヒトの全身性炎症のネットワークに基づく解析

Nature 437, 7061 doi: 10.1038/nature03985

オリゴヌクレオチドと相補的DNAのマイクロアレイは、組織学的に類似している腫瘍の分類、疾患の進行のモニタリングや個別的治療法の計画に用いられている。しかしヒト疾患の高速処理可能なゲノム解析から新しい生物学的手がかりを引き出すのは難題である。それは膨大な量の実験データから適切な生物学的過程を識別、評価するのはむずかしいという制約があるためである。本論文ではタンパク質、小分子、表現型の間で既知の機能的相互作用の背景における、ゲノム全域にわたる転写応答の解析を目的とする、ネットワークに関する知識に基づいた構造的アプローチを紹介する。このアプローチを使用して、炎症性刺激(細菌内毒素)を受けたヒト被験者で白血球の遺伝子発現パターンの変化を解析した。我々は既知のゲノム全域にわたる相互作用ネットワークを探索して、この刺激に応答して乱れる重要な機能的モジュールを同定した。今回の解析から、急性の全身的炎症に対するヒト白血球の応答には、白血球バイオエナジェティックスの一時的な調節異常や翻訳装置の変調が含まれることが明らかになった。これらの結果から、全体的な白血球活性の制御は、先天性免疫寛容およびヒトでの易感染性の上昇に関係しているという知見が得られた。

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