Letter 細胞:ヒトの細胞株では染色体不分離によって異数体細胞ではなく四倍体細胞が生じる 2005年10月13日 Nature 437, 7061 doi: 10.1038/nature03958 細胞周期調節因子や紡錘体タンパク質に変異が起こると染色体分離が正しく起こらなくなる可能性があるが、ヒト細胞での自然発生的な染色体不分離については、原因も結果もよくわかっていない。有糸分裂の際に染色体不分離が起こると、2個の異数体娘細胞が生じると考えられてきた。今回我々は、ヒト細胞株では染色体不分離が細胞質分裂の調節と緊密に結びついているために、不分離があると異数体細胞ではなく、四倍体細胞が形成されることを明らかにする。自然発生的に生じる二核性細胞は、有糸分裂細胞全体に比べて染色体分離の異常が見られる割合が最大166倍にもなることが観察された。長時間の画像化実験によって、二核性細胞の大半が、二極性の有糸分裂後何時間も経って分裂溝が消退した結果生じることが示された。染色体の不分離は、分裂溝の消失によって二核性になった細胞では高い頻度で生じていたが、細胞質分裂により2個の単核性細胞を生じた細胞では起こっていなかった。今回の知見が示すように、染色体不分離では異数体細胞が直接生じるのではなく、四倍体細胞が生じ、さらにそれがその後の分裂を通して異数体になるらしい。自然発生的な染色体分離の誤りと分裂溝の消失とを結びつけることにより、多くの癌で見られる二倍体よりも多い染色体数や中心体の増加が説明できるかもしれない。 Full Text PDF 目次へ戻る