Letter 気候:過去2万年間における中央アフリカの水文学的特徴への気候による制御 2005年10月13日 Nature 437, 7061 doi: 10.1038/nature03945 アフリカにおける過去の水文学上の環境変化は、地域や時間スケールに応じて、さまざまな気候過程と関連して起こったとされている。モンスーンの影響を受けるアフリカ北部および南部地域での長期的な降水量の変化は、歳差運動に起因する夏季の日射の変動によって支配されてきたと考えられている。これに対して、アフリカ北部熱帯地方での短期的な降水量の変化は、北大西洋の海面水温の偏差と関連し、熱帯収束帯および付随する降水帯の北方への拡大に影響を与えてきた。しかし、赤道アフリカ域における大規模な水循環の変化や変化をもたらす要因についての我々の知識は限られたものである。本論文では、コンゴ川河口付近の海洋の堆積物コアから抽出した陸地起源の植物脂質の同位体組成の解析により、過去の中央アフリカの降水量変動を再構築し、この記録を南大西洋の海面水温の変化と比較した。その結果、過去2万年間の中央アフリカの降水量は南大西洋の亜熱帯域と熱帯域の海面水温の差によって主に制御されていたこと、その一方で、熱帯収束帯の位置の変化が中央アフリカ全体の水蒸気供給量に大きな影響を与えた証拠は見られないことがわかった。これらのことから、大気中の水蒸気が中央アフリカ大陸へ輸送される過程において、海洋循環の変化、したがって海面水温の分布の変化が重要な役割を担っていたと結論できる。 Full Text PDF 目次へ戻る