Letter 地球:さまざまな応力領域における地震の大きさ分布変化 2005年9月22日 Nature 437, 7058 doi: 10.1038/nature04094 地震の大きさ分布は、多くの場合べき乗則にしたがい、このべき乗則の傾きを「b値」と呼んで大きい地震と小さい地震との相対的な発生頻度を記述することが一般的である(大きいb値は小さい地震の数が多いことを示し、逆に小さいb値は大きい地震が多いことを示す)。統計的に有意なb値の変動は、実験系、鉱山および沈み込むスラブ等のさまざまなテクトニクス地域、マグマ溜まり近傍、断層帯沿い、余震域などで観測されている。しかしながら、このような違いが異なった応力領域によるものかどうかは、少数の標本(実験室の試料、鉱山、地殻浅部などでの)が地震一般の特徴を代表するかどうか疑わしいことから、はっきりしていなかった。このような違いが物理的に解明されていないので、地震の標本数が大きくなるとb値が一定値の1に近づくことはb=1が地震の普遍的常数であることを示すと一般的に解釈されてきた。本論文では、b値が断層の種類が異なると系統的に異なった値を持つことを示す。正断層の地震は最も大きいb値を持ち、逆断層の地震は最も小さく、横ずれ断層の地震はその中間の値をとることがわかった。逆断層は正断層よりも高い応力状態にあることが多いので、b値は応力計として働き、差応力と逆相関があると推測される。 Full Text PDF 目次へ戻る