Letter 材料:有機サイリスタ 2005年9月22日 Nature 437, 7058 doi: 10.1038/nature04087 サイリスタは双安定な抵抗を示す一種の非線形電子デバイスである。すなわち、サイリスタは二つの異なるコンダクタンス状態の間を切り換えできる。サイリスタはインバーター(直流・交流変換機)として、また、モーターや冷蔵庫などさまざまな応用分野で電力を平滑に制御するため広く使われている。この種の非線形抵抗を見せる物質と構造は実用上有用であるばかりでなく、固体物理学と統計物理学の基礎研究の対象にもなる。本論文では、導電性有機塩θ-(BEDT-TTF)2CsCo(SCN)4で巨大非線形抵抗効果を発見した結果を報告する。その電流‐電圧特性は本質的に通常のサイリスタの特性と同じである。この天然の有機サイリスタはインバーターとして動作し、静的な直流電圧をかけると、交流を発振する。通常のサイリスタは直列接続したダイオードからできているが(サイリスタの非線形性はp-n接合位置の界面効果から生じる)、この有機塩はバルクの現象として巨大非線形抵抗を示す。この効果は、絶縁性の電荷整列領域が電流によって融解するために生じると考えられる。これは、電荷整列領域が定常電流によって融解するという意味で本質的に非平衡な現象である。 Full Text PDF 目次へ戻る