Letter 地球:210Pb- 226Ra- 230Th 非平衡から見積もった海嶺火成活動変動の最小速度限界 2005年9月22日 Nature 437, 7058 doi: 10.1038/nature03993 全球の地殻火成活動の70パーセントは、大洋中央海嶺で起こっている。この地域では熱収支が地殻構造、熱水活動、活発な生物圏を支配しているが、マグマがどのようなテンポで供給されているかはよくわかっていない。しかしながら、供給の時間スケールは、天然の放射壊変系列に属する核種を用いて評価できる。それは、永続平衡系に対する化学的な分別によって、当初親核種と娘核種の非平衡状態が生じるが、娘核種の半減期が短いため再び平衡となるからである。我々は、年代が20年以下の海洋玄武岩中での210Pb-226Ra-230Th 放射非平衡、および他の地球化学的性質を用いて、地球マントルの溶融相は数十年で移動、蓄積、噴出しうると推測した。これは、海嶺火山では火成活動の条件が急速に変化しうることを示唆している。通常の大洋中央海嶺玄武岩では226Raに対して最大15%の210Pbの欠損が起こるが、最大の欠損は最もマグネシウムに富む溶岩中で生じる。210Pbの半減期は22年なので、これら2つのウラニウム系列核種の分別はごく最近起きていなければならない。210Pbの欠損、226Ra/230Th の放射壊変速度比、共存微量元素比の間の関係からは、地殻とマグマの分化あるいは娘核種同位体の脱ガスは、このような徴候を生させる主な原因から除外される。マントル溶融モデルは観測された非平衡を再現できるが、この状態を維持するには、その後に溶融相が急速に移動する機構を必要とする。溶融相が浅い地殻マグマ体に供給される前に火成的な非平衡が起きていた可能性が高いことからも、研究対象地域では分化と熱の供給時間スケールが10年程度に限定される。 Full Text PDF 目次へ戻る