Letter 海洋:アンモニアを酸化する独立栄養性海洋古細菌の分離 2005年9月22日 Nature 437, 7058 doi: 10.1038/nature03911 古細菌は長い間、他の生物にとっては過酷な環境で繁殖する偏性極限環境微生物という特徴を持つとされてきた。培養された古細菌では生理学的多様性が低いため、これらの生物は数少ない環境ニッチに代謝的に制限されていると考えられてきた。例えば、現在培養されているすべてのCrenarchaeota(クレン古細菌門、硫黄代謝好熱古細菌など)は、硫黄を代謝する好熱性微生物である。しかしながら、培養によらない方法を用いる画期的な研究によって、酸素に富んだ低温の外洋水中に莫大な数のCrenarchaeotaが発見された。その後の分子レベルでの研究は、水圏および陸圏環境にこれらの低温性Crenarchaeotaが広く存在することを実証した。全世界の海洋における細胞数が1028と推定される海洋性Crenarchaeotaの数量的優占から、これらの細菌は全球的な生物地球化学サイクル中で、大きな役割を担っていると考えられる。実際に、海洋性Crenarchaeotaの脂質の同位体分析は、これらの浮遊性古細菌が無機炭素を固定することを示している。本論文では、アンモニアを好気的に酸化して亜硫酸塩にすることにより化学合成独立栄養的に成長する海洋性Crenarchaeotaに属する細菌を分離したことを報告する。これは、古細菌における硝化作用の初めての観察結果である。分離されたこの菌の独立栄養的代謝、および周囲の海洋性Crenarchaeota細菌のRNA 塩基配列と系統発生上近い関係を持つことは、硝化作用を行う海洋性Crenarchaeotaが全球的な炭素および窒素循環にとって重要である可能性を示している。 Full Text PDF 目次へ戻る