Letter 工学:マイクロ波スピントルクナノ発振器の相互位相同期 2005年9月15日 Nature 437, 7057 doi: 10.1038/nature04035 ナノメートルスケールの磁気多層デバイスで起こるスピントルク効果を利用して、直流電流に応答する定常状態マイクロ波シグナルを発生させることができる。これによって、磁場センサーや磁気メモリー素子として通常よく使われる磁気‐電子構造に新しい機能が発現する。1個のスピントルクナノ発振器(STNO)が放出するマイクロ波電力は、現在のところ通常1 nW未満である。より実用的な(マイクロワット級の)電力レベルを実現するためには、ジョセフソン接合アレイやより大型の半導体発振器アレイと似たやり方で、位相コヒーレントなSTNOアレイを構成すればよい。本論文では、2個の極めて近くに配置したSTNOが相互に位相ロックする、すなわち、位相同期することを示す。これは相互作用する非線形振動子系の一般的な傾向である。この位相同期状態は明瞭な形で現れ、各発振器がコヒーレントになるためにシグナルの線幅が急に狭くなって、電力が増大することに特徴がある。位相同期したSTNOアレイは、ナノメートルスケールの標準発振器として使える。さらに、アレイ素子を位相制御すれば(フェーズドアレイ)、無線通信用のナノメートルスケールの指向性送信機および受信機が可能になるであろう。 Full Text PDF 目次へ戻る