Letter

地球:1960年チリ巨大地震に先行した地震

Nature 437, 7057 doi: 10.1038/nature03943

地震が最後に起きてからの時間が長いほど、次に起きる地震のすべり量は大きくなると考えるのが一般的である。しかし、このような地震の大きさの論理的な予測は、横ずれ断層の大地震には適用できないことがあり、またマグニチュード9.5の1960年チリ大地震にもあてはまらない。ナスカプレートと南アメリカプレートの境界で起きた1960年の地震は、前回の地震から123年経過した後に発生したが、そのすべり量は250〜350年分のプレート運動量に匹敵すると見積もられている。したがって、この断層で起きるそのような巨大地震の平均発生間隔は、数百年間にわたると考えられる。本論文では、そのように長い発生間隔が、過去2,000年間においては典型的な値であったという証拠を提示する。我々は1960年チリ地震の破壊領域の中央部に位置する入り江において地殻の沈降と津波の浸水を示す痕跡として、埋没土壌と砂層を用いた。これらの痕跡によれば、1960年の地震に先立つ巨大地震は、ほぼ400年前にスペインの征服者によって記録された1575年の地震である。この後に起きた1737年と1837年の二つの地震では、入り江において沈降や津波が起きた痕跡が見つかっていないことから、断層には蓄積されたプレート運動の歪みの一部が残ったままになり、それが1960年の地震の際に使い果たされたのであろう。

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