Letter 地球:1978〜2003年にイングランドおよびウェールズにわたる全土壌で起こった炭素損失 2005年9月8日 Nature 437, 7056 doi: 10.1038/nature04038 炭素は、植生または大気中に存在する量の2倍以上が土壌中に保持され、土壌炭素量の変化は地球全体の炭素収支に大きな影響を及ぼす可能性がある。土壌からの気温上昇に起因する二酸化炭素放出量の増加によって気候変化が強まる可能性についてはまだ論争が続いている。しかし、こうしたフィードバック機構の存在を示す証拠はこれまで、室内および野外における小規模実験やモデル化研究からしか得られていない。今回、1978〜2003年に得られたイングランドおよびウェールズの土壌調査記録(National Soil Inventory)のデータを使い、この調査期間中にイングランドおよびウェールズの全域で炭素が年0.6%(土壌中に存在する炭素量に対する値)という平均速度で土壌から失われたことを示す。また、炭素損失の相対速度は土壌炭素量とともに上昇し、炭素量が100 g/kgを上回る土壌では年2%を超えていたことがわかった。炭素損失の速度と炭素量の相関は土地利用形態と関係なく起こっていたことから、気候変動との関連が考えられる。これらの結果は、イングランドおよびウェールズ、そしておそらくは他の温帯域における土壌炭素の損失が、陸上の貯蔵場所による炭素の吸収を相殺している可能性が高いことを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る