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疫学:東南アジアにおける新興インフルエンザの汎発流行を阻止する戦略

Nature 437, 7056 doi: 10.1038/nature04017

高病原性A型インフルエンザウイルスH5N1亜型は現在、東南アジアの鳥類個体群に蔓延しており、ヒトの感染例も累積しつつある。H5N1亜型には現在のところヒトからヒトへの持続的な感染能が見られないものの、突然変異や遺伝子の混ぜ合わせによって感染力を増したウイルスが現れる危険性があることから、大流行を引き起こす恐れが極めて強い。したがって、ごく初期の段階で流行を阻止できるような公衆衛生策を見つけ出すことが最優先課題である。今回我々は、東南アジアでのインフルエンザ伝播のシミュレーションモデルを用いて、阻止策の1つとして抗ウイルス薬を標的集団に予防的に使ったときに見込まれる有効性を評価した。抗ウイルス薬を使った阻止策の補強手段として、集団の接触率低下をねらった他の方策も検証した。そして、新しいウイルスの基本再生産数(1人の患者から感染・発症する2次患者数)が1.8未満であれば、地理的にねらいを定めた予防策と社会的距離を広げる方法の併用によって、大流行を初期に阻止できる可能性があることを示す。我々の推測では、流行阻止には300万人分の抗ウイルス薬の備蓄で十分である。対策の有効性は、臨床例がどれくらい迅速に診断されるか、そして抗ウイルス薬が配布される速さに非常に大きく依存している。

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