Letter 医学:最も感染性が強いプリオンタンパク質粒子 2005年9月8日 Nature 437, 7056 doi: 10.1038/nature03989 アルツハイマー病やパーキンソン病、伝達性海綿状脳症(TSE)などの神経変性疾患の特徴は異常なタンパク質の沈着で、大きいアミロイド原繊維をともなうことが多い。しかし、このような原繊維やそれより小さい繊維オリゴマーが病気の最重要原因かどうかについては疑問がもたれている。TSEでみられる異常沈着物にはPrPresが多く含まれる。これはプロテアーゼに抵抗性をもつ型のPrPタンパク質で、正常なプロテアーゼ感受性型タンパク質(PrPsen)をPrPresに変換することができる。TSEはPrPresを含む得体のしれない病原体(プリオン)によって生物から生物へと伝播する。今回、PrPresを含む多様な凝集体の感染性、変換活性と大きさの間に見られる関係を体系的に評価するために、PrPresを部分的に分解して大きさによって分画し、光散乱と非変性ゲル電気泳動によって分析を行った。その結果、PrP含有量について分類すると、17〜27 nm粒子(300〜600 kDa)が感染性、変換活性とも明らかに最大で、大きい原繊維ではこれらの活性はいずれもかなり低くなり、PrP分子5個以下のオリゴマーは感染性、変換活性を実際上もたないことが明らかになった。これらの結果は、14〜28個のPrP分子に相当する質量をもつ非繊維状の粒子が、最も強力なTSE病発病体となることを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る