Article 生化学:Na+/Cl-依存性神経伝達物質輸送体の細菌相同体の結晶構造 2005年9月8日 Nature 437, 7056 doi: 10.1038/nature03978 Na+/Cl-依存性輸送体は電気化学的勾配を用いて生体アミンなどの神経伝達物質をシナプスからニューロンおよびグリア細胞の細胞質へを取り込むことでシナプス輸送を終結する。これらの輸送体は治療用薬剤や違法なドラッグなどの標的であり、これらの輸送体の機能の障害は複数の神経系疾患にかかわっていると考えられている。今回我々は、超好熱性細菌であるAquifex aeolicus由来の相同体と基質のロイシンおよび2個のナトリウムイオンとが作る複合体の結晶構造を示す。タンパク質のコアは12個ある膜貫通部分のうちの最初の10個からなり、1-5は膜面に存在する擬似2回軸によって6-10に結びつけられる。ロイシンおよびナトリウムイオンは、タンパク質コアの内側の細胞膜脂質二重層の中ほどにある水のない閉じられた部位に結合する。ロイシンおよびナトリウムイオンの結合部位は、一部がほどけた膜貫通へリックスが境界となっていて、主鎖の原子およびヘリックスの双極子が基質とイオンの結合に重要な役割を果たす。構造から、この重要な種類の輸送体の構成が明らかとなり、基質の結合とイオン選択性の決定要因がはっきりし、外部および内部のゲートの所在範囲が明らかになった。 Full Text PDF 目次へ戻る