Letter 生化学:シトクロムcオキシダーゼによるプロトンポンピング機構の原理 2005年9月8日 Nature 437, 7056 doi: 10.1038/nature03921 好気性生物における細胞呼吸には、一連の膜結合タンパク質複合体を介する酸素への電子伝達がかかわっている。この過程により、膜内外の電気化学的プロトン勾配が維持され、これがATPの合成などに使われる。ミトコンドリアや多くの細菌では、電子伝達系の最後の酵素複合体はシトクロムcオキシダーゼ(CytcO)であり、これは水溶性の電子供与体であるシトクロムcがもたらす電子を用いたO2のH2Oへの4電子還元を触媒する。CytcO内の電子移動は、H2Oを作るためのプロトン取り込みを伴い、これによってO21分子が還元されるたびに4個のプロトンが膜を通過して物理的に移動する(ポンピング)。これまで、どんな生体系においても、この種の電子移動誘起プロトンポンピングの分子機構が決定されたことはなかった。今回我々は、CytcOにおけるプロトンポンピングが、内部の電子移動ではなく、触媒部位におけるプロトンのO2への移動と機構的に結びついていることを示す。このシナリオは、レドックス誘起プロトンポンプの動作原理を示唆し、CytcOがプロトンを移動させる分子機構の候補をかなり絞り込むものだ。 Full Text PDF 目次へ戻る