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進化:チンパンジーとの配列比較解析により明らかになったヒトの進化過程でのY連鎖性遺伝子の保存

Nature 437, 7055 doi: 10.1038/nature04101

常染色体より進化し、男性から男性へクローン的に伝えられるヒトのY染色体では、含まれる遺伝子の数は、男女間で組み換えが起こる常染色体よりもかなり少ない。この進化的な退縮の程度の大きさから、Y染色体は1,000万年以内に機能的な遺伝子を完全に失うであろうと予測されている。巨大なY連鎖性パリンドローム内の遺伝子変換に関する最近の証拠はこの仮説と矛盾するが、Y染色体に特有のY連鎖性遺伝子のほとんどはパリンドローム内には位置しておらず、また遺伝子変換する相手遺伝子ももたない。それゆえ「差し迫った絶滅」仮説の成立は、このような遺伝子の保存の度合いの解明にかかっているといえる。本論文では、およそ600万年前に分岐したチンパンジーとヒトでY染色体特有のY連鎖性遺伝子のDNA配列を系統的に比較することによって、ヒト系統ではそのような遺伝子はすべて浄化淘汰を通して保存されたという証拠を見出したので報告する。対照的に、チンパンジー系統では、いくつかの遺伝子が不活性化変異を維持している。チンパンジー系統における遺伝子減少は、Y染色体の他の場所に集中する、精子競争に由来する正の淘汰の結果であるのかもしれない。

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