Article 遺伝:ヒトのサブテロメアは染色体間の組換えや分節重複の起こりやすい領域である 2005年9月1日 Nature 437, 7055 doi: 10.1038/nature04029 ヒトのサブテロメアは染色体末端にあり、染色体間の分節重複が寄せ集まった多型のみられる領域である。本論文では、この寄せ集めが染色体末端間での転座の繰り返しによって最近生じたものであることを実証する。複数の主要な異所性DNA修復機構がサブテロメア重複の形成に対して相対的にどの程度寄与するかを推定したところ、非相同的末端連結機構がその主たるものであることがわかった。ひとたびサブテロメアの重複が起こると、隣接領域の系統発生的関係が一致しないことでもわかるように、相同性に基づいた塩基配列の転移が頻繁に起こりやすくなる。染色体間でのサブテロメアの組換えは、最近の変化の強い原動力である。細胞遺伝学的解析と塩基配列の解析から、霊長類の進化の過程で、サブテロメアの寄せ集め配列の断片の位置やコピー数は、前例のない高い頻度で変化してきたことが明らかになった。既知のサブテロメア配列の半数は、ヒト特異的配列の転移と重複によって最近になって生じたものである。サブテロメアの動的変化のために遺伝子重複速度はゲノム平均よりも著しく高くなっており、このような動的性質はヒトの生命活動に有利な影響をもたらすとともに、病気の発生につながることもある。より一般的な見地からすると、今回の解析では分節の多型とゲノム再編成の間に進化上のサイクルがあることが示唆されている。 Full Text PDF 目次へ戻る