Letter

量子情報科学:光学的量子情報インターフェイス

Nature 437, 7055 doi: 10.1038/nature04009

量子通信では、ある場所から別の場所へ量子状態、あるいは量子ビット(キュービット) 情報を転送する必要がある。基礎的な観点からすると、これは量子エンタングルメントの遠い距離を隔てた配送と量子非局所性の実証につながる。応用上は、遠く離れたパートナー間で安全性の保証された秘密鍵を共有する量子暗号を実現する上で重要である。光子はキュービットの自然な搬送媒体であり、長距離光ファイバー通信では1,310 nmと1,550 nmが特に適した波長帯である。一方、量子情報の保持と処理には、800 nm付近の波長で吸収と放出を起こすアルカリ原子にキュービットを符号化する方法が考えられている。光ファイバー通信路とアルカリメモリーで構成する将来の量子情報ネットワークには、量子コヒーレンスと量子エンタングルメントを保ちながら、これらの波長間でキュービットを転送できるインターフェイスが必要となる。本論文では、波長が1,310 nmと710 nmの光子間で行ったキュービット転送の実証実験を報告する。そのメカニズムは非線形上方変換過程であり、5%以上の成功確率が得られた。キュービット転送が成功した事象では、710 nmの光子と1,550 nmの第3光子との間で強い2光子間干渉を観測した。1,550 nmの第3光子は1,310 nmの光子と当初エンタングルしているが、710 nmの光子と直接に相互作用することは決してなかった。対応する忠実度は98%以上となった。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度