Article 遺伝:チンパンジーとヒトのゲノム全域における最近の分節重複の比較 2005年9月1日 Nature 437, 7055 doi: 10.1038/nature04000 ヒトとチンパンジーにおける分節重複の程度の違いを広い範囲で比較し、ヒトの重複(塩基配列の同一性が94%以上のもの)の33%はチンパンジーでは重複していないことが明らかになった。その中には、ヒトの疾患の原因となる重複もいくつか含まれている。実験的な手法とコンピューターを用いる手法を組み合わせて、ヒトとチンパンジーが分岐して以来のゲノムの重複率は100万年につき4〜5メガ塩基であると推定した。このような変化により、2つの種の間に遺伝子発現の違いが生じている。影響を受けた塩基対の数という観点からすると、de novoの重複が種間の相違に最も大きく寄与しており、その次が過去の重複の欠失であることがわかった。種分化後の遺伝子変換が最近の分節重複に占める割合は10%に満たない。チンパンジーに特異的に見られるDNAの特定分節の高度な増加(100コピー以上)は、チンパンジーとヒトのゲノム全体像に著しい量的相違と変更をもたらしている。非常に極端な相違のほとんどすべてが染色体構造の変化につながっており、アフリカの大型類人猿で見られる末端近くのヘテロクロマチン出現もその1つである。いずれにせよ、塩基ごとのレベルでみた場合、この2つの生物種のゲノム像に及ぼす影響は、単一塩基対の置換(1.2%)よりも大規模な分節重複の方が大きい(2.7%)。 Full Text PDF 目次へ戻る