Review Article 生態:この一世紀で進んだチンパンジー研究 2005年9月1日 Nature 437, 7055 doi: 10.1038/nature03999 チンパンジーについては過去100年間にわたって自然生息域と飼育の両条件下での研究が積み重ねられた結果、社会面・情動面・精神面から見たこの類人猿と我々ヒトとの距離はぐっと縮まった。チンパンジーとヒトの行動の相似・相同点は、道具の技術や文化の学習から権力政治、社会集団どうしの闘争に至るまで多岐にわたる。増えたこれらの知識により、我々自身の抱くヒト像は大きな変革を迫られたが、今現在、チンパンジーの行動研究で手つかずの分野は残り少ない。今後、チンパンジーゲノムの塩基配列解読がさらなる驚きと考察をもたらしてくれるだろうことは確かだ。ヒトは今のところ霊長類の中で特別扱いをされているが、かなりの類似性があることを踏まえれば、こうした扱いは徐々に範囲を縮小すべきだろう。 Full Text PDF 目次へ戻る