Letter 気候:モデルから得られた過去100万年間の大気温度と全球海面高度 2005年9月1日 Nature 437, 7055 doi: 10.1038/nature03975 海洋堆積物の酸素同位体組成の記録から、過去100万年にわたって、地球の気候は氷期と間氷期を繰り返していたことがわかっている。しかし、記録されている同位体組成に氷床中の同位体貯蔵量と深海の温度の両方が影響しているため、酸素同位体の記録を読み解くことは単純ではない。これらの二つの効果を分離するためには、海水準か深海温度の長期間の記録が必要になると思われるが、こうしたものは現在のところ存在しない。本論文では、北半球の氷床と海洋温度を組み合わせたモデルを用い、全球に分布する57の堆積物コアから作成した過去100万年にわたる酸素同位体の記録とつじつまの合うような強制条件を与えて、両者の寄与を同時に定量化した。その結果、氷床が酸素同位体組成の変動に与える寄与は、氷期の開始期では10%、最盛期では60%と幅があることを見いだした。このことは、ゆっくりとした氷床の形成に先立って海洋の強い冷却があったことを示唆している。このモデルからは、北緯40度から80度の範囲での大陸の平均地表気温、氷の体積、全球海水準の互いに整合的な時系列が得られた。また、氷期の最盛期には大気温度が現在よりも17±1.8℃低く、海水準が現存する大陸氷河に相当する120±10 mとなることがわかった。 Full Text PDF 目次へ戻る