Review Article 動物心理:ヒトにあるチンパンジーの心 2005年9月1日 Nature 437, 7055 doi: 10.1038/nature03917 この小論の題は実にばかげていると思う読者もいるだろう。ダーウィンの進化説を擁護するハックスリーを論難したウィルバーフォース主教であれば、あの時のように拳を振りかざすのは間違いない。しかし、このエッセイの題が「チンパンジーの持つトリ脳」と題するエッセイに比べて、より大きな憤激を買うということもないはずだ。なぜなら多くの神経機能や心理機能が、種を超えて広く進化的に保存されているからである。ヒトはチンパンジーと、すべてではないにしても、ある程度は心の機能が共通であり、その一部はさらに他の動物種とも共通である。チンパンジーのゲノムが発表されて、DNAレベルでもヒトとの相当な共通性が明らかになっている。残念ながら、遺伝子がどのように心を作り上げるかについては、実質的にまだ無知の闇の中だ。しかし、比較ゲノム学がヒトの起源を明らかにするには、心をつくり出す基盤である神経の特性と、他の種への収斂あるいは分岐につながった進化の過程の両方から見た動物の心理について、同じくらい十分な情報がなければならないだろう。 Full Text PDF 目次へ戻る