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医学:アミノグリコシド系抗生物質は細菌のバイオフィルム形成を誘導する

Nature 436, 7054 doi: 10.1038/nature03912

バイオフィルムは、細菌からなる付着性の凝集物で、ヒトの組織など生物および非生物の表面に形成される。バイオフィルムは抗生物質による治療に抵抗性を示し、慢性感染における細菌存続の一因となっている。したがって、バイオフィルムの形成機構の解明は、嚢胞性繊維症患者の気道に見られる緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)などの慢性感染の治療に役立つと思われる。本論文では、アミノグリコシド系抗生物質が抑制濃度よりも低い濃度で、緑膿菌や大腸菌(Escherichia coli)のバイオフィルム形成を誘導することを示す。緑膿菌では、我々が aminoglycoside response regulator (arr)と名付けた遺伝子がこの誘導に必須であり、バイオフィルムに特異的なアミノグリコシド抵抗性に寄与した。arr遺伝子は内膜に存在するホスホジエステラーゼをコードしていると予想される。このホスホジエステラーゼの基質は、細胞表面の接着性を制御する細菌のセカンドメッセンジャーである環状2グアノシン1リン酸 (c-di-GMP)である。arr変異体由来の膜はc-di-GMPホスホジエステラーゼ活性が低下しており、Arrタンパク質の触媒残基と予測されている部分が変化した変異体をもつ緑膿菌では、トブラマイシンに対するバイオフィルム反応に異常が見られることを見いだした。さらに、トブラマイシン誘導性のバイオフィルム形成はc-di-GMPホスホジエステラーゼを阻害することが知られている外因性のGTPによって阻害された。これらの結果は、バイオフィルム形成が抗生物質の存在に対する特異的な防衛反応である可能性を示すものであり、この応答の分子基盤にはc-di-GMPレベルでの変化が含まれていることを示唆している。

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