Letter 気候:大気の酸化力の短期変動 2005年8月18日 Nature 436, 7053 doi: 10.1038/nature03900 ヒドロキシルラジカルは大気中の主要な酸化性物質であり、温室効果ガスを含むさまざまな大気微量成分を大気から取り除く役割をもつ。ヒドロキシルラジカル濃度の変動傾向や変わりやすさの測定は、大気の「浄化」作用が変化しているかどうかを解明する上で極めて重要である。しかし、ヒドロキシルラジカル濃度の変動性を年単位から月単位の時間スケールで定量化することはむずかしい。本論文では、ニュージーランドのBaring岬と南極のスコット基地の空気の清浄な観測地点で採取された、ヒドロキシルラジカルによって酸化された放射性炭素を含む一酸化炭素(14CO)の13年間にわたる記録を示す。モデルを用いて14COの生成における既知の変動を補正し、この化学種がヒドロキシルラジカル濃度の短期変動の分析に使えるようにした。その結果、ヒドロキシルラジカルの濃度にははっきりした長期的傾向はみられなかったが、数ヶ月間持続する10%前後の短期的変動が繰り返し起こっている証拠が得られた。また、1991年のピナツボ火山の噴火や1997年のインドネシアでの大規模な火災が原因と思われる、最大20%に及ぶヒドロキシルラジカル濃度の減少が見いだされた。 Full Text PDF 目次へ戻る