Letter 細胞:精原幹細胞ニッチの転写調節にはERMが必要である 2005年8月18日 Nature 436, 7053 doi: 10.1038/nature03894 精原幹細胞の分裂では、娘細胞は幹細胞としての性質を維持するか、または成熟した精子に分化するかのいずれかとなる。精細管の中で唯一の体細胞であるセルトリ細胞は、物理的な支持および表面タンパク質と可溶性因子の発現によって幹細胞ニッチを提供する。本論文では、Ets関連分子(ERM)が精巣中のセルトリ細胞内に特異的に発現し、精原幹細胞の自己再生にはこの分子が必要であることを示す。ERMの標的破壊マウスでは、精原幹細胞自己再生が維持されないが、正常な精子への分化は阻害されないため、生殖細胞の枯渇が進行し、セルトリ細胞唯一症候群(Sertoli-cell-only syndrome)となる。ERM欠損マウスより得た初代セルトリ細胞のマイクロアレイ解析により、造血細胞の幹細胞ニッチを調節することが知られている分泌因子が変化していることがわかった。以上の結果は、精子形成におけるEtsファミリー転写因子の新しい機能を明らかにするものであり、脊椎動物幹細胞ニッチの転写調節の例を示している。 Full Text PDF 目次へ戻る