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医学:膜シーラント・ポロキサマーでジストロフィー性心不全を防ぐ

Nature 436, 7053 doi: 10.1038/nature03844

ジストロフィンの欠乏は、重篤な心筋症を伴うことの多い進行性および遺伝性の横紋筋萎縮疾患であるヒトのデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)を引き起こす。DMDの2番目の死因は心不全である。DMD発症の分子機序を明らかにしようとする試みは、その大半が骨格筋の研究に基づくものであり、これに比べて心筋はほとんど注目されてこなかった。心筋細胞における病態生理学的機構は、骨格筋繊維の場合とは大きく異なる可能性がある。これは、骨格筋症状はないが、短縮型ジストロフィンを持つか、またはジストロフィン量が減少している患者で重篤な心疾患がみられることにより強く示唆される。本論文では、無傷の状態で単離されたジストロフィン欠損心筋細胞ではコンプライアンスが低くなり、伸展によるカルシウム過負荷に対する感受性が高くなり、細胞の拘縮および細胞死が起こること、そして膜シーラントであるポロキサマー188の投与によってin vitroでこれらの欠陥が修正されることを示す。ポロキサマー188をジストロフィーマウスにin vivoで投与すると、心室の形態が直ちに改善し、ドブタミンによるストレス誘発時における急性心不全の発生が抑えられた。ヒトに投与する場合のポロキサマー188の至適用量や長期作用などの問題が解決すれば、化学的に合成された膜シーラントが、筋ジストロフィー患者の心筋症および心不全の進行を予防、あるいは改善する新たな治療法となる可能性がある。

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