Letter

細胞:核小体のプロテオームの動態

Nature 433, 7021 doi: 10.1038/nature03207

核小体はリボソームのサブユニットの合成と組み立てを調整する重要な細胞小器官で、核内で、反復するリボソーム遺伝子群の周辺に形成される。リボソームの形成は主要な代謝活動の1つであり、そのため核小体の機能は細胞の成長や増殖と深く結びついている。また最近のデータでは、核小体が細胞周期の調節や老化、ストレス応答にも重要な役割を果たすことが示唆されている。本論文では、質量分析に基づく細胞小器官のプロテオミクスと安定同位体による標識を利用してヒト核小体のプロテオームの定量分析を行ったので報告する。in vivo蛍光画像を、プロテオミクスによって測定した内在性タンパク質の変化と直接比較して、核小体の形態に影響を及ぼす3種類の異なる代謝阻害剤に反応して起こる489の内在性核小体タンパク質の流動的な動きの特徴を明らかにした。RNAポリメラーゼIのサブユニットや核内低分子リボ核タンパク質粒子複合体などのように安定した結合をつくるタンパク質は、よく似た動態により核小体から離脱したり、核小体中に蓄積したりするのに対し、リボソームの大サブユニット、小サブユニットの構成タンパク質は著しく異なる動態で核小体から離脱する。今回のデータは、細胞小器官内外へのタンパク質の動きの特徴を時間的にとらえる定量的プロテオミクス手法を確立し、核小体のプロテオームが、細胞の生育条件の変化に応じて時間とともに大きく変化することを実証するものである。

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