Letter 材料:結晶性高分子電解質の電気伝導率を向上させる 2005年1月6日 Nature 433, 7021 doi: 10.1038/nature03186 高分子電解質は塩を高分子(例えば、ポリエチレンオキシド、PEO)中に溶解させたもので、固体配位化合物の特異な一群となっている。高分子電解質は、リチウム充電池、曲げられるエレクトロクロミックディスプレイ、スマートウィンドウなどの幅広い全固体デバイスへの応用が可能である。30年もの間、注目されてきたのは無定形高分子電解質であった。結晶性高分子と塩の錯体は絶縁体だと信じられていたためだが、この見方は最近、結晶性錯体PEO6:LiXF6 (X=P、As、Sb)でイオン伝導性が実証されたことで覆された。しかし、伝導率は比較的低い。今回我々は、結晶構造中のXF6−アニオンの一部を同じ価電子数のN(SO2CF3)2−で置き換えることにより、この材料の伝導率を1.5桁向上させることができた。アニオンが大きくなり形も不規則になったためLi+イオンの周囲のポテンシャルが乱され、それによりAgBr1-xIxイオン伝導体にいくらか似た機構でイオン伝導率が高まったと思われる。ドーピングという戦略で結晶性高分子電解質の伝導率を上げられたことは、この種の材料の技術利用に向けての大きな進歩となる。 Full Text PDF 目次へ戻る