Letter 生理:植物細胞における4-O-オキサリル-L-トレアル酸の酵素加水分解によるビタミンCの分解 2005年1月6日 Nature 433, 7021 doi: 10.1038/nature03172 作物のL-アスコルビン酸(ビタミンC)量の増加は、原理的にはこの分子の生合成の促進、または分解の抑制を伴うと考えられる。最近の研究でアスコルビン酸の生合成経路は明らかになったが、分解経路は未だにわかっていない。分解経路が解明されれば、植物でアスコルビン酸が果たす役割について、特に成長速度とアスコルビン酸オキシダーゼ(またはこの酵素の反応産物)間にみられる興味深い正の相関について理解が進むと考えられる。一部の植物(ブドウ科)では、アスコルビン酸はL-イドン酸を経て、L-トレアル酸(L-酒石酸)に分解される。トレアル酸はアスコルビン酸の炭素1〜4の部分から生じる。しかし、ブドウ科を含む多くの植物では、アスコルビン酸の分解がデヒドロアスコルビン酸を経て進む場合があり、シュウ酸とアスコルビン酸の炭素3〜6の部分を含むL-トレアル酸が生じる。アスコルビン酸とシュウ酸/L-トレアル酸間の代謝過程と、その細胞内局在部位は不明である。本論文では、バラ(Rosa)の培養細胞ではこの代謝経路が細胞外で働いていて、4-O-オキサリル-L-トレアル酸を始めとするこれまで知られていなかった複数の中間体を経て進行し、さらに少なくとも1つの新しい酵素活性が関与することを報告する。この経路は非酵素的に進む場合もあり、このことで調理中のビタミン損失を説明できるかもしれない。この代謝経路の複数の段階では過酸化物が発生する可能性があり、これはアスコルビン酸が植物細胞壁の弛緩や酸化的バーストの誘導を可能とする酸化促進物質として働くのにかかわっているのかもしれない。 Full Text PDF 目次へ戻る