Letter 進化:小規模空間スケールにおける一腹卵数の遺伝的に大きな差異は遺伝子流動によって維持される 2005年1月6日 Nature 433, 7021 doi: 10.1038/nature03083 自然個体群の局所環境への適応能を理解することは、進化生物学における中心的命題の1つである。個体群同士の表現型の差異が遺伝的な基盤による可能性はあるが、適応最適条件の差異を反映していることを示すには、遺伝子流動と選択の双方の定量化が必要である。しかし、質のよい実験データはごくわずかである。今回我々は、島に生息し空間構造をもつシジュウカラ(Parus major)個体群のデータを用いて、わずか数キロメートルしか離れていない2つの分集団同士で一腹卵数の平均値に継続した差異が見られ、そこには大きな遺伝的要素があることを示す。また、島外部からの移住個体は一腹卵数が多い遺伝子をもっていることも示す。しかし、外部からの移住率は低く、なおかつ移住個体のもつ遺伝子に強い選択が働くために、1つの分集団への遺伝子流入は小さい。このことが、島環境への適応と少ない一腹卵数の維持を可能にした。しかしまた別の地区では、もっと大きな遺伝子流動が局所の適応を妨げ、一腹卵数が多く維持される。我々は、一腹卵数に見られる小規模な遺伝的差異が、この島で起こった分岐選択によるのではなく、島外部からの遺伝子流入量の差異によることを示す。この知見は、局所的適応の進化と個体群の遺伝的構造とに移住が大きな影響を及ぼすことを表している。 Full Text PDF 目次へ戻る