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地球:グリーンランド氷床のイリジウムと白金から明らかになった完新世における隕石煙粒子の降下量

Nature 432, 7020 doi: 10.1038/nature03137

白亜紀/第三紀境界層におけるイリジウム異常は約6,500万年前に地球外の天体が地球に衝突したことが原因とされてきた。この事件の際にイリジウムを運んだのはケイ酸塩で取り囲まれたミクロンサイズの団粒か、あるいは衝突した物体が気化したナノサイズの物質であると考えられてきた。しかし、溶融・蒸発した隕石により日常的に大気に入ってくるイリジウムなどの白金族元素の行方はよく分かっていない。本論文では、グリーンランド氷床コアから得られた、気候変動周期の時間スケールにおけるイリジウムと白金の12万8千年前までさかのぼる流束記録について報告する。完新世には、グリーンランドでは予想外に一定の地球外物質の降下が見られるが、一方で、最終氷期の塵を含んだ大気中における宇宙からの流束は、地球起源のイリジウムおよび白金の流束が大きく増加したため隠蔽されていることが分かった。高度70 km以上の大気中で溶融・蒸発した隕石が再凝結して形成されたナノメートルサイズの隕石由来の煙粒子は、中間圏の子午線循環により冬季の極渦へと輸送され極域の氷冠へと選択的に堆積すると思われる。このことは完新世では、隕石の煙粒子が全球で平均して年間14±5キロトン降下していることを示唆する。

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