Article 化学:分子軌道の断層画像化 2004年12月16日 Nature 432, 7019 doi: 10.1038/nature03183 「分子軌道」と呼ばれる一電子波動関数は、分子内の多電子波動関数を記述するために数学的に仮定された概念である。最上位分子軌道は、分子の化学的性質を決めるため特に注目される。化学結合が形成されたり切断されたりする際の分子軌道の変化の観測は、化学の本質を観測することに他ならない。しかし、単一分子軌道を実験的に測定することは難しく、化学反応の時間スケールでの観測はこれまで不可能であった。本研究では、配向させた分子に高強度フェムト秒レーザーパルス光を集光して得られる高次高調波を使うという一見不可能そうな手法によって、分子軌道の完全な3次元画像化が可能であることを実証した。少しずつ異なった角度に配向させた分子から高次高調波を発生させることによって、N2の最上位分子軌道の画像再構築を行った。本手法によって、電子波束のアト秒ダイナミクスが測定可能であることも示される。 Full Text PDF 目次へ戻る