Letter

地球:中国北部の大陸塊における大陸下部地殻の再循環

Nature 432, 7019 doi: 10.1038/nature03162

苦鉄質の大陸下部地殻の、その下に対流しているマントルへの沈降は、地球の大陸地殻が異常に進化した化学組成を持つことを説明する方法の一つとして提案されているが、この過程の直接的証拠はほとんどない。中国北部の大陸塊(クラトン)で得られたジュラ紀後期のマグネシウムに富んだ安山岩、石英安山岩、およびアダカイト(ストロンチウム濃度が高く、重い希土類元素とイットリウムの濃度が低い珪質溶岩)は、エクロジャイトが部分溶融した後でマントルのカンラン岩と相互作用したという生成起源と一致する化学的および鉱物学的特徴を持つことを本論文で報告する。アダカイトとナトリウムが濃集した始生代のトーナル岩質−トロニエム岩質花崗岩類系列の花崗岩に見られる同様な特徴は、スラブ内の溶融物がマントルウェッジと相互作用した結果であると解釈されてきた。しかしながら、その島弧に関係した片割れとは異なり、中国のマグマは始生代から受け継がれたジルコンを含み、中国北部大陸塊の下部地殻由来であるエクロジャイト捕獲岩と重なるネオジウムとストロンチウム同位体組成を持っている。そのような特徴は、溶岩内のMg#、ニッケルおよびクロム含有量が高いことを考えれば、スラブ内溶融物の地殻との同化により生成されることは不可能である。今回我々は、中国の溶岩は対流しているマントルへと沈降し、その後融解してカンラン岩と相互作用した古代の苦鉄質下部地殻から生じたと推測する。中国北部の大陸塊内部で下部地殻の沈降がジュラ紀後期に起き、中国北部の大陸塊の下でリソスフェアの除去が起きた時期に対して制約条件を与えると考えられる。

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