Article 生化学:核外輸送複合体の集合の構造基盤 2004年12月16日 Nature 432, 7019 doi: 10.1038/nature03144 核膜孔複合体を通っての高分子の核内輸送、核外輸送は、主としてインポーチン-βなどキャリアーによって行われる。インポーチンは積み荷を核内へ運び込み、エクスポーチンは積み荷を細胞質へと運び出す。輸送を協調させるのは核内のRanGTPで、これが積み荷をインポーチンから解離させる。また逆に、エクスポーチンへの積み荷の結合にもこれが必要である。本論文では、エクスポーチンCse1pが積み荷(Kap60p)およびRanGTPと結合して形成した核外輸送複合体の分解能2.0Åでの結晶構造を示し、核タンパク質の核外輸送と、RanGTPの核外輸送と核内輸送における機能の違いを構造面から理解するための枠組みを提供する。複合体中ではCse1pがRanGTPとKap60p両方に巻きつき、RanGTPの状態を安定化し、Kap60pのインポーチン-β結合ドメインを固定して、必ず積み荷を空にしたKap60pだけが運び出されるようにする。変異誘発によってわかったのだが、Kap60pが結合しているとエクスポーチンのコンフォメーション変化によってRanGTPに対する親和性が高まり、それによって核外輸送複合体分子にバネ仕掛けのような仕組みが生じ、細胞質でGTPが加水分解されると複合体は簡単に解離するようになる。 Full Text PDF 目次へ戻る