Letter

物理:X線分光ホログラフィーによる磁気的ナノ構造の非レンズ式結像

Nature 432, 7019 doi: 10.1038/nature03139

物質の構造を知る主な方法は、周期的構造によるX線回折を調べ、回折像を実空間の原子配列に正しく変換(反転)することである。しかし、非周期的なナノスケール構造の場合、X線による決定は極めて難しい。X線強度分布のぼやけた測定結果からの反転は、位相の情報が本質的に失われているため難しく、また直接結像の方法は、現在のX線光学では分解能に限界がある。今回我々は、ナノ構造に対する汎用的な結像方法を示す。この方法では、散乱のコントラストを上げるため共鳴軟X線を用い、ホログラフ風に作られる干渉縞を直接フーリエ反転する。我々の装置では、試料照射用のマイクロメートル大の開口と、基準X線用のナノメートル大の孔をもつマスクをリソグラフで製作し、その背後に試料を置く。実例として我々は、共鳴X線磁気円偏光二色性効果を用い、Co/Pt多層膜上の乱雑な磁区構造を、50ナノメートルの分解能で結像させた。我々の技法は、フーリエ変換ホログラフィーの一種であるが、極めて多種類の試料に適用可能で、かつ分解能を回折極限まで拡張できると期待される。さらに、自由電子レーザー光源によるコヒーレントX線を用いた単発の超高速結像に最適である。

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