Letter 物理:重いフェルミオン量子臨界点を通したホール効果の形成 2004年12月16日 Nature 432, 7019 doi: 10.1038/nature03129 量子臨界点(QCP)は、絶対零度の基底状態に新しい形の秩序が発現するとき形成される。QCPは有限温度の物質の性質にも影響を及ぼすことがあるため、近年注目を集めている。最近では、重いフェルミオン金属が反強磁性体QCPの研究でよく用いられる。重い電子を収容するため、重いフェルミオン常磁性体のフェルミ面は反強磁性体のフェルミ面より大きい。ここで重要な未解決問題は、スピン密度波(SDW)型の磁性で予測されるようにQCPでのフェルミ面変化が徐々に発達するのか、あるいは、重い電子が磁性によって急激に局在化するときに予測されるように突然発達するのかという点である。本論文では、磁場をかけて重いフェルミオン金属YbRh2Si2を反強磁性状態から常磁性状態へと調整し、そのフェルミ面体積の尺度となる低温ホール係数(RH)を測定した結果を報告する。RHは、温度の低下と共にQCP付近で急激に変化するようになり、絶対零度へ外挿した極限では急激な飛びを示す。これらは、まさにQCPで大きなフェルミ面が崩壊し、重いフェルミオン状態自身も崩壊する結果と解釈される。 Full Text PDF 目次へ戻る