Letter 進化:カモノハシの減数分裂時に見られる鎖状になった10本の性染色体は、鳥類のZ染色体および哺乳類のX染色体と共通の遺伝子をもつ 2004年12月16日 Nature 432, 7019 doi: 10.1038/nature03021 カモノハシが初めて見つかってから約200年がたつが、単孔類の染色体系は大きな謎のままである。雄、あるいは両性の核型には、対をつくらない染色体が、X染色体も含めて数本あるとされる。減数分裂の際には、これら複数の染色体が集まり、1本の鎖をつくる。このような減数分裂時に作られる染色体鎖(meiotic chain)は植物や昆虫には存在するが、脊椎動物ではめったに見られない。カモノハシの染色体系がどのようなしくみで性を決定し、均衡した配偶子をつくり出すのか、何十年にもわたって議論が続いてきた。本論文では、カモノハシには5本の雄特異的な染色体(Y染色体)と5本のX染色体が、雄には1コピー、雌には2コピーあることを示す。これら10本の染色体は、雄の減数分裂の際には1本の多価染色体鎖となり、交互分離のパターンによりXXXXXをもつ精子とYYYYYをもつ精子が生じる。性決定遺伝子があるとしても、これらの性染色体のうちのどれにいくつ含まれているのかはまだわかっていない。最大のX染色体はヒトのX染色体と相同性があり、鎖の一方の末端を占める。また鎖のもう一方の末端付近は、鳥類のZ染色体と相同性をもつ染色体が占める。このことは、これまでまったく別個に進化してきたと考えられてきた哺乳類と鳥類の性染色体系に、進化上の関連性があることを示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る