Letter 生化学:auxilinと結合したクラスリン被覆の構造と脱被覆機構に果たす役割 2004年12月2日 Nature 432, 7017 doi: 10.1038/nature03078 クラスリン被覆ピットは特定の膜区画から陥入し、くびり切られて被覆小胞となる。これらの小胞は、膜から離れるとすぐに被覆を失う。Hsc70分子シャペロンが脱被覆反応を起こさせるが、これをクラスリン格子の適切な部位へ誘導するのは、Jドメインを含む補助シャペロン分子auxilinである。ここで、Hsc70によるATP加水分解などの局所的な反応が、どのようにして被覆全体の分解を触媒できるのかという疑問が生じる。本論文では、in vitroで集合させたクラスリン被覆の構造を、クラスリン結合領域とJドメイン両方を含むオーキシリンと結合した状態で、低温電子顕微鏡を用いて分解能12Åで決定したので報告する。auxilin断片の位置は、この構造とauxilinと結合していない状態のクラスリン被覆の構造(本号に同時掲載されている論文で報告)との違いから計算して決定した。auxilinはクラスリン格子内部の、内側に突き出したC末端の三脚状のらせんと2個の「足首」が交差する部分との接点付近で結合する。またauxilinは、クラスリンがもつこれらとは別の「脚」の末端ドメインにも接触している。このようにしてauxilinはHsc70を一連の重要な相互作用が起こる部位周辺へと誘導する。auxilinの結合によって、重鎖の接触に局所的に変化が生じ、クラスリン被覆全体に検知可能なゆがみが生じる。我々はクラスリン格子の局所的な不安定化が全体にわたる脱被覆を促進するという機構を提案する。 Full Text PDF 目次へ戻る