Letter 量子情報科学:量子誤り訂正の実現 2004年12月2日 Nature 432, 7017 doi: 10.1038/nature03074 スケーラブルな量子計算や量子通信では、不可避な雑音から量子情報を保護するため誤りを制御することが必要になる。量子誤り訂正は、測定結果に応じた操作を施して誤りを修正し、2準位量子系(キュービット)に蓄積された情報を保護する。誤り訂正プロトコルは核磁気共鳴実験で実行されているが、この手法は固有の限界があり、量子情報処理に適用できない。本研究では、直線に並んだ多数のゾーンから成るトラップに閉じ込めた3個のベリリウム原子イオンキュービットを使った量子誤り訂正の実証実験を行った。符合化した1キュービット状態を、3キュービット量子誤り訂正符号を使って、スピン反転誤りから保護する。第一イオンキュービットをある初期状態に用意し、次に、この状態を3個の物理キュービット(その第一キュービットと2個の補助キュービット)の量子もつれ状態に符合化する。誤りはすべてのキュービットに各々異なる率で同時に発生させる。この符合化した状態は元の第一イオン1キュービット状態へ復号化して戻す。その結果、補助イオンに誤り情報が記録されるようになる。補助イオンは第一イオンから分離し、測定を行う。最後に、第一キュービット状態を補助イオンの測定結果に基づいて訂正する。誤り訂正の効果は、訂正した終状態を、訂正していない状態や初期状態と比較して確かめる。原理的には、この方法によって、繰り返して誤り訂正を行えば量子状態を保持できる。この方法は、トラップイオンを使ったスケーラブルでフォールトトレラントな量子計算に向けた重要な第一歩になる。 Full Text PDF 目次へ戻る