Letter 進化:間接的互恵性は二次的なただ乗りという問題を生じることなく協力関係を安定化できる 2004年11月25日 Nature 432, 7016 doi: 10.1038/nature02978 大規模なヒト集団にみられる協力関係のモデルは2つある。「間接的互恵性」は、個人が他人を助けることで自分の評価をあげ、そのために将来も協力関係にかかわっていくという状況で生じる。また「集団行動」では、個人は集団全体に利益をもたらすようなコストのかかる行動に加わる。間接的互恵性の進化は、理論的には一見うまく説明されているが、集団行動がどのように進化してきたかについては定説がまだない。ただ乗りに制裁を加えることで協力関係が維持されることがあるという証拠はあるが、コストのかかる懲罰に個人がかかわる理由はまだわかっていない。こうした「ただ乗りの二次的発生という問題」の解決策には、メタ懲罰、突然変異、順応、シグナル伝達、群淘汰などが含まれる。間接的な互恵関係からの排除という脅しは、実験的には集団行動を維持するように作用する場合がある。本論文では、こうした排除は進化的に安定であり、コストのかかる協力関係に参加する動機となり、また懲罰者自らの評判を損なわずにただ乗りを助けないことが可能なために、二次的なただ乗りの発生という問題を回避できることを示す。しかし、こうした戦略は、間接的互恵性が集団行動と結びつけられていない集団には侵入できないこともわかったので、集団行動が生じる仕組みの説明には至らなかった。 Full Text PDF 目次へ戻る