Letter 神経:皮質から海馬CA1領域への入力が長期記憶の固定に果たす役割 2004年10月7日 Nature 431, 7009 doi: 10.1038/nature02965 海馬と新皮質の間の情報交換は、エピソード記憶の形成、固定、読み出しの基盤であると考えられているが、この皮質海馬連絡の性質は、あまりよくわかっていない。今回、ラット脳に選択的電気焼灼を加えることで、嗅内皮質から海馬CA1領域への直接投射路(側頭葉アンモン角投射路、TA)が、モリス水迷路課題の短期(24時間)および長期(4週間)空間記憶に果たしている役割について検討した。短期記憶の実験では、疑似手術動物もTA損傷動物も4等分した区画中の標的区画に対し著しい選択性を示した。しかし、4週間後に再試験すると、疑似手術動物が長期記憶を示したのに対し、TA損傷動物は標的区画への選択性を失っていた。多くの長期記憶には固定と呼ばれる過程が必要で、それには皮質と海馬の間の情報交換が関わっている。TA損傷による長期記憶の消失は、長期記憶の獲得過程か固定過程のいずれかにTA入力が必要なことを反映している可能性がある。このどちらが正しいか見分けるため、まず動物を訓練し、24時間後に空間記憶の成立を確認してからTA損傷を加えた。このような動物でも長期記憶の欠損が見られたことから、固定過程が中断されたことがわかった。しかし、TA損傷を3週間後にまで延期すると、標的区画に著しい選択性が見られ、処置までの間に記憶がすでに固定されていることがわかった。これらの結果は、学習後の長期的空間記憶の固定に、TA経路によって運ばれる継続的な皮質からの入力が必要なことを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る