Letter

医学:前立腺の再生、腫瘍生成、転移におけるヘッジホッグシグナル伝達

Nature 431, 7009 doi: 10.1038/nature02962

転移性の癌は、成長中あるいは再生中の臓器の正常細胞に見られるある種の特性、すなわち増殖能や組織の編成を変える能力を身につけている。今回我々は、発生時のパターン形成に重要な役割を果たすヘッジホッグ(Hh)シグナル伝達経路が前立腺上皮の再生に必要であり、この経路が継続的に活性化されると前立腺前駆細胞が形質転換されて腫瘍形成能をもつことを見出した。Hh経路の活性上昇は、局所的な前立腺癌と転移性前立腺癌の分かれ目となっており、この経路を調節することで癌の侵襲性や転移を制御できる可能性がある。この経路の活性は内在性Hhリガンドの発現によって誘発され、Smoothendの発現によって左右される。Smoothendは重要なHh応答成分で、良性の前立腺上皮細胞では発現されていない。したがって、Hh経路の活性を監視し制御することは、転移の可能性がある前立腺癌の診断や治療を大きく前進させる可能性がある。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度